【ひとりごと】or【どこかで誰かと話したこと】で、ほとんどがメモ代わりです。日記をはさみながら気になることや思い付いたことを色々と書こうと思いますが、かなり大雑把に書きますし、比喩表現を使いますので、専門の方からすると「変(正確でない)」と思われることがあるとは思います。また冷たい(厳しい)言葉を使う(らしい)ので、よく「冷たい人」と言われますから、その前提で読んでください。
【保険】介護保険料を巡る判例 #03
2019年09月07日 (土) | 編集 |
前回の続きです。

さて……二つ目の問題は、今回の訴訟は「市民税を2年より前に遡って減額したものの、「料」の時効は2年であるという解釈により、2年より以前の介護保険料は変更されなかった」ために起き、裁判では市民税を算定基礎としているということから、市民税の遡及期間である5年まで遡って減額するという判決が出ました。
この判決をそのまま理解すると「介護保険料の増減は、市民税の遡及期間である5年前まで遡りなさい」ということになります。
それは減額だけでなく、増額にも当てはまることになるのではないでしょうか?

税務署の調査で、申告漏れが指摘され、遡って税額が増額されるケースは少なくありません(増額と減額では、多分、増額の方が多いでしょう)。
この増額は、当然ですが市民税に影響します。
したがって介護保険料も増額にある……そういう理解で良いのかどうか???
この辺りは判例にハッキリと書いてありませんが、判決の理由が「市民税のデータを算定基礎としているのだから、市民税の遡及期間は再計算すべき」ということであり、これが賦課権の時効とすると、判決に増額について特に(別途)言及されていない以上、介護保険料の増額についても同様にすべきなのでしょう。
どちらかというと、こちらの影響の方が大きいように思うのですが……。

 (続く)

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【保険】介護保険料を巡る判例 #02
2019年06月29日 (土) | 編集 |
前回の続きです。

この判決で不思議に思うことがいくつかあります。
その一つが「賦課権」と「徴収権」のアンバランスです。
賦課権というのは、住民に何らかの負担を決定する権限で、この場合であれば介護保険料額を決定する権限のことです。
一方の徴収権は、賦課権により決定されたものを徴収することができる権限です。
今回の判決により
 ・賦課権……5年
 ・徴収権……2年
となってしまいました。

このアンバランスをどう考えれば良いのでしょう?
確かに介護保険料の算定基礎は、税側の数字なのなかもしれません。
しかし、それはあくまでも「何を基準に算定するのか?」という問題であって、時効とは考え方が異なったものです。
また税とは制度が違うものですから、全てを連動させる必要はなく、今回の判決のような話になるのであれば、介護保険「料」ではなく介護保険「税」として制度設計を改めるべきだろうと思います。

 (続く)

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【保険】介護保険料を巡る判例 #01
2019年02月02日 (土) | 編集 |
数年前の話のようで、知らなかったのですが、社会保険料について面白い判決が出ていました。
平成25年5月27日最高裁第一小法廷にて上告棄却され、大阪高裁平成23年8月30日判決が確定した介護保険料の時効に関する判決です。

要旨をまとめると

・和歌山市を相手に起こされた訴訟
・一般的に時効は、「税」では5年、「料」では2年とされている。
・この件では、市民税を2年より前に遡って減額したものの、「料」の時効は2年であるという解釈により、2年より以前の介護保険料は変更されなかった。
・これに対して訴訟が起き、市民税を基準として賦課されているものについては、法に特別の定めがされていない限り、税の減額に併せて料も減額されるべきという判決が出た。

というものです。

時効は2年なのに……不思議な判決を出したものだと思います。

 (続く)

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【医療】国保の都道府県への移管について #02
2015年03月17日 (火) | 編集 |
前回の続きです。

もう一つが財政的な問題です。
今回の都道府県への移管目的が、財政基盤を安定さえ、赤字財政からの立て直しを図るためだそうです。
しかしながら以前書いた【注①】ように、医療費部分だけを考えれば、国保は赤字になるような制度にはなっていません。
復習のために書いておけば、高額療養費などを除く医療費については、
 ・30%……患者が医療機関の窓口で支払う。
 ・35%……税金で負担する。
 ・35%……保険料で負担する。
となっています。
保険料については、低所得者への軽減制度がありますが、この部分については別途税金で負担することとなっていますし、高額医療費についても財政的に赤字にならないように考えられています。
しかしながら……これが赤字になっています。

これらを抱えたくないために都道府県は、移管に後ろ向きでしたが……決まった以上、どうにか対応しなければなりません。
事務作業については、多分……後期高齢者医療制度の実施方法をベースにするのではないか?と思います。
つまり管理部分だけは都道府県で、受付等は市区町村で……という感じになるのかな?と思っています。
もしくは広域連合を作ったり……。
そう考えると……とりあえず事務作業は何とかなるように思います。

 (続く)

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【注①】
 ※参考:【医療】国保と健保 #01
 ※参考:【医療】国保と健保 #02
 ※参考:【医療】国保と健保 #03
 ※参考:【医療】国保と健保 #04
 ※参考:【医療】国保と健保 #05
 ※参考:【医療】国保と健保 #06
 ※参考:【医療】国保と健保 #07
 ※参考:【医療】国保と健保 #08
 ※参考:【医療】国保と健保 #09
 ※参考:【医療】国保と健保 #10
 ※参考:【医療】国保と健保 #11
 ※参考:【医療】国保と健保 #12
 ※参考:【医療】国保と健保 #13
 ※参考:【医療】国保と健保 #14
【参考】
 ※参考:国民健康保険、18年4月に都道府県移管へ(asahi)
 ※参考:国保の都道府県移管、知事会など了承 18年度から(nikkei)

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【医療】国保の都道府県への移管について #01
2015年02月16日 (月) | 編集 |
医療保険については、以前、触れました【注①】
その中で現在、各市町村で運営している国民健康保険(以下「国保」)が、2018年(平成30年)4月から都道府県に移管されることになったようです【注②】

これについては、前々から話があったのですが、なかなか進行しませんでした。
理由はいくつかあります。
一つは業務が繁雑なためです。
日本は皆保険制度となっていることは皆さんがご存じでしょうが、国民全員が国保に加入しているということはあまり知られていません。
健保や共済(以下「健保等」)があるじゃないか?と言われますが、それらに加入している間だけ国保の適用を除外されるという制度になっており、国保の資格を喪失した状態になるわけではありません。
それゆえ健保等の資格を喪失した時点で国保の適用除外が解除されます。
ただし……問題はこれが届出制度であることで、届出をしなかった場合には国保の適用除外が解除された時点からの保険料を支払うことになります(時効はあります)。
このためトラブルが多く、事務作業も多種多様で繁雑になります。
そうなると人員を確保しなければなりません。
上記のような資格管理、保険料の徴収、高額療養費等の支給、国庫補助金の申請作業……。
かなりの作業になります。
この人員を確保するのが大変(当然、人件費が必要になりますから)……というのが、理由の一つでしょう。

 (続く)

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【注①】
 ※参考:【医療】国保と健保 #01
 ※参考:【医療】国保と健保 #02
 ※参考:【医療】国保と健保 #03
 ※参考:【医療】国保と健保 #04
 ※参考:【医療】国保と健保 #05
 ※参考:【医療】国保と健保 #06
 ※参考:【医療】国保と健保 #07
 ※参考:【医療】国保と健保 #08
 ※参考:【医療】国保と健保 #09
 ※参考:【医療】国保と健保 #10
 ※参考:【医療】国保と健保 #11
 ※参考:【医療】国保と健保 #12
 ※参考:【医療】国保と健保 #13
 ※参考:【医療】国保と健保 #14
【注②】
 ※参考:国民健康保険、18年4月に都道府県移管へ(asahi)
 ※参考:国保の都道府県移管、知事会など了承 18年度から(nikkei)
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【医療】国保と健保 #14
2012年02月03日 (金) | 編集 |
前回【注①】の続きです。

国保と健保という制度を考える場合、このように色々なことまで考えなければ公平で公正な制度は設計できません。
これを簡単に一元化しようとすると、過負担になる階層が出てきます。
ココで言う過負担は、額の大小だけでなく、サービスに対する対価という意味ですので、公平とか公正ということを定義しなければならなくなります(完全な公平・公正など理想論だとはわかっています)。

では過負担になる階層を作らず公的保険を一元化するためには、どうすれば良いか?
一番簡単な方法は、その範囲で行われる医療行為は「最低限必要となるもののみ」とし、それ以上は民間の保険会社との契約とする……という方法が考えられます。
そもそも多くの負担をする者には相応のサービスが提供されなければなりませんが、どこまでも公的保険の範囲としてしまうと不公平な制度になってしまいます。

ただし……この方法を採用すると色々と不満が出るでしょう。
例えば、公的保険だけしか加入していない場合、「風邪で病院に行っても、何もしてもらえない」ということが発生します。
これは、風邪の治療には暖かくして寝ている他に方法はないためです。
要するに風邪と診断するところまでしか保険の対象にはなりません。
これが現在の公的保険の範囲に民間の保険会社を参入させる場合の一つのパターンですが、公的保険と民間保険を両立して現行の医療制度に組み込もうとすると、こういうことが発生しうるわけです(両方で……となるとコストに無駄が多くなりますので、キッチリとした線引きが必要となります)。【注②】

簡単に保険の一元化という話をする人がいますが、キチンと考えれば、税や医療制度等にも影響が出るものであって、簡単な話ではありません。
保険制度単体で考えれば色々と言いたいこともあるでしょうが、もっと大きなテーブルで考えなければならないことであり、それを怠った議論はRISKを高めるだけです。

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 (この絵については、こちら

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【注①】
 ※参考:【医療】国保と健保 #13
【注②】
 ・個人的には、現在の公的保険の範囲に民間の保険会社を参入させるという考え方には、反対です。
 ・アメリカの例を考えればわかりやすいのですが、保険が医療と密接な関係にある以上、民間の保険会社を参入させるメリットは、確実にデメリットより小さく、そういう意味では環境を悪化させるだけだろうと思います。
テーマ:ひとりごとのようなもの
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【医療】国保と健保 #13
2011年11月30日 (水) | 編集 |
前回【注①】の続きです。

そもそも医療は無料では維持できません。
あくまでもサービスです。
間違ってはいけないのは、サービスは「対価を支払うべきもの」であって、無料で提供されるものではないということです。
同じ服であっても1万円で買えるモノと10万円で買えるモノでは、質が異なります。
それを同じにしたいのであれば、同じ対価を負担するしかない……これがサービスです。

そうなると所得ゼロの人の考え方を整理する必要が出てきます。
この場合、考えなければならないのが、別項【注②】で書いた「social worth standards」という考え方です。
わかりやすく書けば、『生物学的な個体としてのヒト』と『社会学的な個人としての人間』は違うという前提を持つことになります。
ここをキッチリ整理する勇気があるのなら、制度を再構築できるでしょう。

それは欧米で医療制度に組み込まれているような制度……わかりやすく言えば「支払うお金はないが医療を必要とする」場合に社会貢献と引き換えに医療サービスを受ける……そういう仕組みの導入も考えなければならなくなるということにもなります。
これは、どういうことかと言えば、例えば……主に研修医が医療行為を行っている病院(または病院内に作られた空間)でのみ医療サービスを受けることができるというものです。
医師が一人前になるためには多くの診療の機会を得る必要があり、この機会を医師に与えることは社会貢献になります。
ですから「そういう形で社会に貢献しますから、医療費を社会(納税者)で負担してください」ということになり、それでバランスを取っています。

要は、どこでバランスを取るのか?を考える勇気があるのかどうか?
そこの話を避けては通れないのが、医療制度です。
医療が保険税(料)で支えられているのですから、当然ですが保険に手を付けるのであれば、そういうことまで整理する必要があります。

(続く)

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 (この絵については、こちら

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【注①】
 ※参考:【医療】国保と健保 #12
【注②】
 ※参考:【社会】social worth standards
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【医療】国保と健保 #12
2011年10月19日 (水) | 編集 |
前回【注①】の続きです。

国保と健保について、色々と書いてきました。
いつも議論にでるのは「国保の加入者の負担は大きい」という話ですが、これに理由があることは理解していただけたと思います。
知人と話をすると「会社が1/2負担しているから」と言う人がいますし、そう思われている(いた)人もいると思います。
しかし……これは事実ではありません。
事実は、
 (1).一人当たりの医療費の高低
 (2).滞納者
の2つだけ
であり、健保でも扶養家族分の医療費も含んで算出しますから、保険税(料)率を算出するベース数値の算出式に差はありません。

個人的には、国保という仕組みはよくできていると思います。
国保加入者に低所得者が多いという話をよく聞きますが、では健保加入者の所得が高いかと言えば全てに当てはまるわけではありません。
また、個人事業者については税制上の仕組みで「必要経費」の算出が認められており、これが実際の収入から所得を算出する際のマイナスされる数値の一つになるのですが、この仕組みは健保加入者には存在していません(実際にはできないわけではありませんし、必要経費を机上の計算で減額しているのが現状なのですが……)。

ということは、所得そのものの考え方が、個人事業者と被雇用者では異なりますので、異なるものを比較して高いとか低いとか言うこと自体に無理があります。

さて……そうなると、保険の一元化をするためには、所得に関する税制の整理が必要になります。
言い換えれば、個人事業者が「必要経費」として申告できているものの範囲を被雇用者のレベルに合わせるか、その逆にするか?という問題が発生します。
これが何を起こすかを想像できるでしょうか?
もし『個人事業者が「必要経費」として申告できているものの範囲を被雇用者のレベルに合わせる』場合、その時点で個人事業者の所得額が上昇する可能性が大きくなります。
これは、個人事業者の所得税や住民税、国保税(料)など……所得に応じて支払っているものが、制度を変えるだけで増額されるということです。
では、逆の場合はどうなるか?と言えば、これにより被雇用者の所得額が下降する可能性が大きくなりますので、所得税による税収を始めとして所得を計算に用いるものが減収となります。
となると、これまでの税率では道路も河川も維持できない……つまり公共サービスを維持・運営できないことになります。
すると自動的に税率アップになります(税率アップは、国民全体に影響しますから、当然ですが個人事業者の負担も大きくなります)。

要するに『公平・公正なサービスとして保険の一元化を目指す』というお題目は素晴らしいわけですが、実際に『公平・公正なサービスを目指す』には色々なところに手を入れる必要があり、それによる影響を考えなければならない……ということです。
もし、そこまで考えないで小手先の改正をすれば、不公平が拡大することになるでしょう。

(続く)

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 (この絵については、こちら


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【注①】
 ※参考:【医療】国保と健保 #11
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